典型的な簡易帰化のケース① ~日本人と結婚している場合の2パターンを解説~
日本人と結婚している場合の簡易帰化2パターン
「日本人と結婚しているケース」の簡易帰化は2パターンありました。
- 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所・居所を有し、かつ、現に日本に住所を有する人
- 日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する人
この記事では、この4と5のパターンをそれぞれ具体的に詳しく解説していきます。
4の場合の簡易帰化
- 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所・居所を有し、かつ、現に日本に住所を有する人
簡易帰化が適用できる9つのケースのなかの典型的な例である日本人と結婚している4のパターンを再び見てみましょう。
住居要件がすこし緩和されていましたね。
普通帰化の場合「日本に引き続き5年以上住んでいること」が要件とされていました。
”4の要件”
1)日本人と結婚している
2)引き続き3年以上、日本に住所・居所をもっている
3)いまも日本に住所がある
簡易帰化の「日本人と結婚しているパターン」では、このように「引き続き3年以上日本に住所を有し、現在も日本に住所を有していること」となっており、すこしだけ緩くなっているのがわかりますね。
たとえば?
中国人留学生の女性が留学ビザで日本に3年間留学しています。
大学を卒業したらビザが更新できそうもなかったので中国に帰国しようと思っていました。
ですが、大学卒業の年である4年目、大学で付き合っていた日本人の男性とめでたく結婚しました。
この例のケースは4の簡易帰化に当たります。
1)日本人と結婚している
2)引き続き3年以上、日本に住所・居所をもっている
3)いまも日本に住所がある
上記1・2・3の要件をすべて満たしていますね。
留学生として3年間日本に住んでいれば、日本人と結婚した時に簡易帰化の住居要件を満たすことになります。
ほかの例を考えてみましょう。
もし大学1年目のときに結婚していて、そのまま日本での留学生活が続けば3年目で要件を満たすことになります。
もちろん、留学ビザで在留していなくても問題ありません。
要するに、どのような在留資格であれ引き続き3年間以上日本に住所を有し、現在も日本に住んでいるのなら、日本人と法的に結婚が成立した瞬間に住居要件に関しては問題なくなるのです。
5の場合の簡易帰化
- 日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する人
この5の場合の要件では、上記「4の簡易帰化の要件」と比較して、日本で引き続き1年以上住所を有していればOKということになっています。
加えて、日本人と結婚し、婚姻の日から3年を経過していることが必要になります。
”5の要件”
1)日本人と結婚して3年以上経っている
2)引き続き1年以上、日本に住所をもっている
たとえば?
オーストラリア人の男性が日本人女性のオーストラリアの留学先で結婚したとしましょう。
二人は結婚し、オーストラリアの大学で2年間過ごしました。
それからオーストラリア人の彼は日本での仕事が決まり、日本へ2人で来ました。
そして1年間日本で日本人配偶者といっしょに生活しました。
これは5の簡易帰化の要件である、
1)日本人と結婚して3年以上経っている
2)引き続き1年以上、日本に住所をもっている
を2つとも満たしているので◎です。