普通帰化の要件 2⃣ 素行要件
素行要件とはしっかり国民の義務を果たしているかどうか
この記事では普通帰化の要件である素行要件について解説していきます。
素行要件とは何でしょうか?
素行というと、日常生活でのふるまいを指すように感じます。ですが帰化に限っていえばどちらかというと、真面目に国民の義務を果たしているかどうかが大切になってきます。
つまり、素行要件とは年金や住民税をきっちりと払っているか。交通違反やケンカで捕まったりしたことがないかなどです。
住民税
就労していて会社の給料から住民税を天引きされている方は問題ありませんね。
ですが、会社によっては住民税が天引きされずに自分で納付するスタイルをとっているところがあります。もし住民税を払ってないことがわかったら払いましょう。今からでも大丈夫です。
住民税を完納すれば帰化申請の必要書類である納税証明書を取得しても、未納税額は記載されないので安心です。
法人の経営者や個人事業主の方は、それらの税金もしっかりと払っていることが要件になります。法人税や個人事業税ですね。
わからない場合は給与明細をチェック
給与明細をチェックしてみてください。
給与控除欄に住民税の記載があり、控除額が記されていれば天引きされています。
配偶者の住民税と扶養も要チェック
結婚されている場合、配偶者の方の納税証明書も提出します。配偶者の方の未納分がないかもしっかりとチェックしてください。帰化申請する本人に未納税額がなくても配偶者の方にあれば審査が通りません。
また、配偶者を扶養にいれている場合は配偶者がアルバイトやパートをしていて103万円以上の年収があるようでしたら、本来は扶養には入れません。もし仮に扶養に入れてしまっている場合は、さかのぼって扶養から外す必要があります。具体的な手続きは「修正申告」という手続きが必要となり、加えて扶養によって安くなっていた税金分を納付する必要があります。
本国の家族を扶養にいれている場合
適切な扶養基準に従って本国の家族を扶養にいれているなら問題はありません。ですが両親が現役で働いている、すでに亡くなっている。それにもかかわらず扶養に入れている方などはダメです。扶養控除の分だけ税金が安くなります。そのために税金逃れの策として扶養していると思われてしまいます。近年では、法務局から本当に扶養しているのかの証拠を提出するよう求められるケースも多くなっています。
このような方はすぐに修正申告して未納税額をおさめましょう。
交通違反
運転免許を持っている方のみ対象です。
交通違反については、過去5年の違反経歴をチェックされます。つまり5年前から現在まで何回違反があるかです。軽いものであれば5回以内であれば安全圏です。
軽い違反とは?
軽微な違反とは、駐車禁止や運転中の携帯の使用などです。反対に、故意とみなされるような違反。つまり、大幅な速度超過、飲酒運転、信号無視などは重い違反とされます。このような場合、相当期間の経過後でないと帰化申請自体が認められません。安全運転を心がけましょう。
年金
会社が厚生年金に加入していて給料から厚生年金保険料が天引きされている場合は問題ありません。これも給与明細をチェックすることで確かめられます。反対に、会社が加入していない場合は個人で「国民年金」という年金を納める必要があります。外国人の方は国民年金を払っていないことが多く見られます。このような場合は、まず直近1年分の国民年金をおさめましょう。
国民年金の支払い納付書
国民年金の納付書は近くの国民年金事務所でもらうことができます。納付書をもってコンビニなどで支払いができます。そのときの領収書はしっかり保管しておきましょう。帰化申請の際の提出書類になります。
法人経営者や個人事業主の場合の年金加入義務
経営者の方は会社として厚生年金保険に加入義務があります。会社として社員を厚生年金にいれる必要があります。個人事業主の方は法人ではないので厚生年金は不要です。国民年金に加入する必要がありますが、従業員5人以上雇っている場合は、例外として厚生年金に加入する必要があります。
いままで加入していなかった場合は今から加入して直近1年分の年金を支払えば問題ありません。