入管ビザ申請における法定代理人と申請取次

入管ビザ申請における法定代理人と申請取次
入管法では、在留資格関連手続きをする申請者による本人出頭による申請が原則となっています(入管法第61条の9の3第1号)。これは本人が窓口にいれば申請等をする者の本人確認や意思を直接確認でき、不備があれば、その場で補正でき、疑問点も直接質問する機会が与えられること、が理由となっています。
ですが、例外として申請者本人の法定代理人であれば、本人に代わって在留資格関連の手続きをすることが可能である旨が定められています。
また、申請取次という本人の代わりに申請書類や資料を提出し対応することが可能となる一定の機関や行政書士、弁護士などが存在します。
法定代理人になれる人
入管法上で、法定代理人として手続きを代理できるのは以下の4者となります。
弁護士や行政書士だけでなく、法定代理人以外は代理を認めないというのが原則です。
- 親権者
- 未成年後見人
- 成年後見人
- 受入機関の職員
- 親権者または未成年後見人は申請者本人が18歳未満である場合にのみ法定代理人となれます。また親権者に関しては同居する16歳以上の親族のみ法定代理人となれます。
- 申請人本人が病気などやむを得ない事情により出頭することが困難な場合で地方出入国在留管理局長が認める場合は親族又は同居者若しくはこれに準ずる者が法定代理人になれるとの規定もあります。
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法定代理人であれば、申請者に代わって在留資格関連の手続きが可能です。さらに申請者本人が現在日本国内から出国している状況でも手続きを行うことができます。
申請取次と代理のちがい
代理人であれば、本人がその場にいなくても申請手続きおよび書類の訂正もその場で可能となります。
一方、申請取次とは、外国人が行うべき申請や手続きについて、取次資格を持つ者が外国人本人に代わって申請書等の提出など手続きを行うことです。申請取次をしても手続き自体は外国人本人が行うことに変わりませんが、本人は入管へ出頭しなくて済みます。(手続きによっては同行が必要になってくる場合もあります)。
申請取次者は申請書や資料提出等の行為を本人代わり行うことが許可されています。そのため、ご本人の意思に基づいていたとしても訂正や署名を勝手に代理することはできません。
そのため、訂正箇所や補正が生じた場合に、行政書士や弁護士がその部分を訂正した場合でも後ほど外国人本人の方の署名が訂正箇所毎に必要となってきます。
申請取次者になれる者
在留資格関連の申請取次ができる者は入管法施行規則に基づき出入国在留管理庁へ承認を得た方に限定されています。(行政書士および弁護士に限り届出を行った者となります)。
具体的には以下の者や機関などが申請の取次が可能となります。
- 受入企業・機関の職員
- 技能実習の監理団体の職員
- 特定技能登録支援機関の職員
- 旅行業者
- 公益法人
- 行政書士または弁護士
このように同列に列挙しましたが、それぞれの申請取次可能な範囲が異なっており、この手続きはできるが、別の手続きは対応できないという事態が発生します。
申請取次者別の取り扱い可能な範囲
手続 | 受入機関 | 旅行業者 | 行政書士 弁護士 |
---|---|---|---|
在留資格 認定証明書 | ○ | × | ○ |
変更許可 | ○ | × | ○ |
更新許可 | ○ | × | ○ |
再入国許可 | ○ | ○ | ○ |
資格外活動許可 | ○ | × | ○ |
各種届出 | △ | × | ○ |
特例法 の手続 | × | × | ○ |
- 外国人の経営機関、雇用機関、教育機関の職員および行政書士・弁護士はその外国人の扶養する配偶者・子の家族滞在・特定活動・居住資格に係る申請取次も可能。
- 住居地関係の届出については依頼が必要となります。