「永住申請の審査期間」と「永住申請のながれ」
はじめに
この記事では「永住申請から許可が下りるまでの期間」と「一般的な永住申請の際のながれ」を段階に分けて解説します。
ご自分で永住申請をする場合のアドバイスなども、それぞれのステップごとに記載していますので、ぜひ活用してみてくださいね。
永住申請の審査期間
永住審査の期間は入管ホームページの通りでないので注意!
入管に永住の申請をしてから審査の結果が出るまでの期間を”標準処理期間”といいます。
永住申請におけるこの標準処理期間は、出入国在留管理庁のホームページで4か月と記されています。
しかしこれには注意が必要です。
実際は6か月以上かかる…!?
入管のホームページには4か月と書いてあった永住申請の審査期間。
これを真に受けてはいけません。
実際には4か月どころではなく、最低でも半年、6か月以上かかることがほとんどです。
場合によっては10か月ほどかかることもあるようです。依頼者様から「もっと早くできませんか?」などの声をいただきます。ですがこの期間に関しては我々行政書士もどうすることもできません。
原因のひとつとして、現在永住申請の件数が増大していることが考えられます。
この点については別記事で解説いたしますのでそちらを参考にしてください。
永住申請のながれ
永住申請のおおよそのながれは、以下のような6つの段階に分けられます。
この章では、この6つのステップのアウトラインを説明していきます。
永住申請のながれ 6つのステップ
- 出入国在留管理局(入管)で相談する
- 必要書類の収集
- 申請書類の作成
- 申請と受理
- 審査を受ける
- 結果の通知
それではステップ①から見てみましょう。
ステップ① 入管で相談しよう
自分で手続きする場合、まずはご自身が永住の申請ができるかどうか確認する必要があります。
そのために、住んでいる場所を管轄している出入国在留管理局の「永住相談部門」へ相談に行きましょう。
待ち時間が長いことが多いので時間に余裕があるときに行きましょう。
現在の在留資格、来日歴、家族関係等を聞かれます。そして永住の申請ができると判断された場合のみ、申請のための書類を教えてもらえます。
ステップ② 必要書類を集めよう
入管で相談した時に教えてもらった書類を集めましょう。
多くは役所で取得できる書類ですが、役所は平日のみしか開いてないので、仕事を調整しながら集めていきましょう。集めた書類に矛盾がないかをチェックし、もし矛盾点があればその整合性をとるように修正や必要な手続きをしていきましょう。
集めた書類に矛盾点が多いとどうなるの?
書類に矛盾点や要件を満たさないなどの不利な点がおおくあると、入管の審査官に疑念が生じます。ひとつの疑念は次の疑念を呼び、当然、不許可になる可能性が高くなります。そのような疑いを起こさないように書類を集めていきましょう。
ステップ③ 申請書類をつくろう
永住許可申請書や理由書などを言葉を間違えないように作っていきましょう。
自分の国から取り寄せた書類は、すべて日本語に翻訳する必要があります。翻訳した日本語は間違いないようにしましょう。できれば日本人にチェックしてもらうとよいです。日本語が間違っていると間違った方向性で審査されてしまう可能性があります。
日本語翻訳書類への記入事項
日本語に翻訳した書類には次の事項を記載する必要があります。
- 翻訳した年月日
- 翻訳者氏名
- 翻訳者の住所
- 翻訳者の電話番号
- 翻訳者の押印(認印可)かサイン
ステップ④ 準備ができたら申請しよう
管轄の入管へ、集めた書類と作った申請書類を持っていき申請をしましょう。
申請が受け付けられるまでの待ち時間が長い(だいたい4~5時間!)ので1日休みを作って行きましょう。
入管の開庁時間は平日の午前9時~午後4時までになっており、その間の時間に申請に行く必要があります。
永住許可の標準処理期間について
先ほど説明した6か月の標準処理期間はこのステップ④からステップ⑥までの間で最低6か月間ほどかかるということになります。つまり、実際の準備などを含めるとまるまる一年間ほどかかると考えた方がよいでしょう。
ステップ⑤ 審査
審査は書類の審査だけでなく、現地調査として配偶者の家や勤務先の会社に訪問するということもあります。
「追加書類の提出」を入管からお願いされる場合、この段階であることが多いです。
追加書類の提出について
入管から追加書類の提出の通知が来たら、できる限り対応した方がよいです。
というのも、入管がわざわざ追加書類を出してほしいと言っていることの理由を考えるべきなのです。
それはつまり、それによって許可か不許可が決まるような要素があなたの申請書類に存在しますよ、ということなのです。ですから、追加書類のお願いをされているにも関わらず、そのまま放置すると不許可になる可能性が非常に高いです。
ステップ⑥ 結果の通知
永住の許可が出た場合
入管から結果のお知らせがハガキで届きます。
ハガキに記された必要な持ち物をもって入管に「永住者」の在留カードを取りに行きましょう。
その場合でも1日全部かかることがありますので、仕事を調整して1日休みをとって行きましょう。
また、永住の許可が出た場合、8,000円の手数料がかかります。
不許可の場合
封書で不許可の通知が郵送されてきます。
通知書には不許可理由が記載されているだけで、どういう点が良くなかったのかなどの詳細まではわかりません。
不許可理由を具体的に知るためには、入管まで直接行って聞いてみるほかありません。
不許可理由を聞きに行くときの注意点
この説明は一度しか聞けず、すべて日本語でなされます。
また、不許可理由については審査官はこちらからたずねない限り、必要最低限のことしか答えません。
そのため、実は不許可理由がいくつかあっても、主な不許可理由をひとつしか説明していなかったりします。
ですから、何が不許可の理由となったのかこちらから積極的に日本語を駆使して聞き出さなければなりません。
審査官の言葉をヒントにして、不許可理由を払拭、修正したうえで、もう一度再申請をしましょう。